クリチバ鉄道で行くモヘチスの旅
8月19日、ひょんなことからクリチバの鉄道にタダで乗らせてもらえることに!というのも先輩が世界バレーを見に行った時に知り合った人がこの鉄道のガイドで、しかも日本に住んでたことがあると。それで今度日本人の団体客が来るから日本語ガイドの練習をさせてほしいということで、そのお手伝いという形で乗せてもらいました。
電車も地下鉄も走ってないクリチバですが、なぜか観光用の山岳鉄道がある。噂に聞いていましたが、まさかよく使ってるバスターミナルの裏から出てるとは...知りませんでした。8時半にバスターミナル横の駅に到着。へーすごい、クラシックカーやジオラマが展示されてて今から乗る山岳鉄道の写真も。想像と全然違って楽しい駅だ。
さっそく事務所でお偉い方の許可をいただき手続きを済ませると発車時刻までしばし駅内を観覧。なんか白髪のおじいちゃんがひとりでうろうろしてるなー、親しげに従業員と話したりして、よくここの展示を見に来る人なのかな~なんて思ってたらなんとこの鉄道の社長だと。いやいや普通のおじいちゃんやん!と半信半疑でしたが展示されてる1枚の写真を見て確信。このおじいちゃんリオ五輪の聖火ランナーしてる!本当に社長だ。こんなフランクですぐ隣にいるおじいちゃんが社長なんて信じられませんでした。さらに信じられないことがもう一つ。列車内部の写真もあって一等車すごいなぁ、豪華すぎるでしょなんて先輩と話していたら今日招待してくれたガイドさんが一言、「今日これに乗るよ」。「・・・えーーー!!!」
ということでさっそく出発。今日招待してくれたガイドのフラビア(Flavia)さんとシルビア(Silvia)さん。
二人とも日本に住んでいたことがあり、ブラジル帰国後この鉄道でガイドとして働いています。今日のお客さんは娘の誕生日を祝うために親戚一同で利用されるご家族。なんでもおばあちゃんが1度この鉄道に乗った時にすごく感動したそうで、ぜひ孫の誕生日はこの鉄道に乗ってお祝いしようとのこと。こんなアットホームな超豪華列車の中に明らかに場違いな日本人が2人乗ったわけです…察してください。でもそこを気にしないで許してくれるのがブラジル人のいいところ。ぼくら2人はフラビアさんとシルビアさんの近く、隅っこのカウンターに陣取って日本語ガイドの練習をします。
にしてもホントに豪華な車内。こんないい列車もう一生乗れないぞなんて思いながらガイドさん2人が準備してるのを待っていると、シャンパンが開けられてる。さすが一等車!さすが誕生日パーティー!車内のご家族に配られていきます。そして最後、目の前にシャンパンが。え?「飲んでください」いやいや、そんな。日本語の練習で、タダでこんな豪華列車に乗せてもらってるのに…さすがに遠慮しましたがご好意に甘えていただくことに。この後、軽い朝食も出てそれもいただきました。ありがとうございます。
2人のガイドさん、日本語はペラペラなんですけどやっぱり敬語が難しいみたい。食事を出すとき、片づけるとき、飲み物をお伺いするときなどの接客の言葉づかいを教えました。そんなこんなやってるうちにどんどん山の中へ。今日はあいにくの雨だけどそれが緑を余計濃く見せてる気がする。ダムや滝、展望台などの要所・スポットで停車し案内をするガイド。
「この鉄道はもともと先住民が使ってたお茶の道だったところに…」「鉄道建設には一切奴隷を使わずヨーロッパ移民が作って…」「普通の貨物列車もこの線路を利用していて…」。ポルトガル語で説明が終わると今度はそれをぼくらの前で日本語で説明して、おかしなところがあれば訂正。そうしながらモヘチスに到着。普段は3時間ほどで着くらしいですが今日は5時間ほどかかって到着。お腹空いた~。
モヘチス、すっごく小さな田舎の町。特産品はバナナでいたるところにバナナチップスやバナナ飴が売ってあります。またバヘアード(Barreado)という郷土料理が有名で、この日のお昼はもちろんバヘアードを食べました。レストランが閉店間際でちょっと冷めてましたがとてもおいしかったです。その後、清流を眺めながら町の中心部を歩き集合場所へ。
帰りは大型バスでクリチバへ帰ります。途中海辺の教会にちょっと寄り道。高台の教会から見下ろす湾がきれいでした。後ろに並ぶ家もカラフルでかわいかったです。こうして今日のモヘチスへの鉄道の旅は大きな疲労とともに終了しました。
実は今日の旅、お客さん飛び入り参加(前もって言っていた人数より多くの親戚が来た)があって定員オーバーで座席が足りなかったり、ガイド用のマイクが壊れたり、朝食を温めるレンジも壊れたり、前を行く貨物列車の運行状況が悪くモヘチス到着に5時間以上かかったり、二人のガイドさん曰く過去最悪の旅だったとか。「本当にごめんなさい、すごく疲れたわ~」って言ってたけどゆったりと列車の旅を楽しめて大満足な1日でした。本当にありがとうございました。
この鉄道 Serra Verde Express に興味のある方は下記のURLからアクセスしてみてください。また、日本語ガイド希望の方はそのように依頼し今回の2人の名前を言っていただくと良いかと思います。